
草薙ゆる行政書士事務所 ~昭和とつながる黒電話相談録~ 第1巻
草薙ゆる行政書士事務所~昭和とつながる黒電話相談録~
クサナギユルギョウセイショシジムショ~ショウワトツナガルクロデンワソウダンロク~
人は、書類だけでは救えない。でも、書類があるから救える想いもある。
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SYNOPSIS
あらすじ
草薙の行政書士事務所にある古い黒電話。そこへ昭和や未来から、書類だけでは整理できない相談が届く。
過去から届く相談、平成のガラケーに残った願い、2040年にAIが書けなかった謝罪文。全十話で構成する黒電話相談録。
BOOK INFORMATION
作品情報
- 発売状態
- Kindle発売中
- 形式
- Kindle版(電子書籍)
- シリーズ
- 草薙ゆる行政書士事務所 ~昭和とつながる黒電話相談録~ 第1巻シリーズ掲載作品一覧Amazonでシリーズを見る
- ASIN
B0H2D1D2C2
KEY THEMES
主要テーマ
- 01行政書士実務
- 02黒電話
- 03昭和と未来
FOR READERS
この作品がおすすめの読者
- 行政書士事務所を舞台にした一話完結の人情物語を読みたい方
- 昭和・平成・未来を黒電話がつなぐ、温かなコメディSFが好きな方
OPENING SAMPLE
冒頭試し読み
本書冒頭より(一部抜粋)
チリリリリリリリリ。
最初に鳴ったのは、相談者ではなかった。 黒電話だった。
山崎行政書士事務所の応接机のすみに置かれた、丸いダイヤルの古い電話。昨日、望月菓舗の蔵から出てきたからと、四代目の望月春子が「先生、こういうの好きでしょう」と笑って置いていったものだ。
笑っていた。昨日は。
その黒電話が、夕方五時三十二分、突然鳴った。
「先生」
事務員の佐伯ふみかは、法務AI端末の画面から顔を上げた。彼女は二十五歳、元リーガルAI企業の審査設計チーム出身で、いまは行政書士試験の問題集を机の隅に隠している。隠しているつもりだが、山崎にはとっくに見えている。
「はい」
山崎哲央は、湯呑みに茶葉を入れすぎた手を止めた。
「鳴っています」
「鳴っていますね」
「その電話、線がつながっていません」
ふみかは机の裏を指さした。黒電話から伸びた布巻きのコードは、三十センチほど先でぷつりと切れている。壁のジャックにも、無線給電のタグにも、どこにもつながっていない。
「確認しました」
「確認したなら、もっと驚いてください」
「驚いています」
「顔が、役所の受付で番号を呼ばれた人です」
山崎は受話器を見つめていた。
鳴るはずのない電話が鳴っている。普通なら恐れるところだ。だが山崎の胸に最初に来たのは、恐怖ではなかった。
期待だった。
THEME SONG
主題歌ミュージックビデオ
物語の余韻を、映像と音楽でお楽しみください。
ABOUT THIS BOOK
この作品について
制度の手続と、その手続を必要とした人の気持ちを一話完結で描く。