
行政書士・成瀬結の記録簿
レス川は名を返さない
レスガワハナヲカエサナイ
土地の記憶、名前、記録、消された存在をめぐる物語。
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SYNOPSIS
あらすじ
行政書士・成瀬結の記録簿。土地に残る記憶、失われた名前、記録から消された存在が、レス川の流れとともに重なっていく。
『シャトー・ド・ヴァルザン奇譚』として描かれる、制度と鎮魂をめぐる長編。
BOOK INFORMATION
作品情報
- 発売状態
- Kindle発売中
- 形式
- Kindle版(電子書籍)
- シリーズ
- 行政書士・成瀬結の記録簿
- ASIN
B0H58TJ99B
KEY THEMES
主要テーマ
- 01名前と記録
- 02土地の記憶
- 03行政書士
FOR READERS
この作品がおすすめの読者
- 行政書士を主人公にしたリーガルミステリーを読みたい方
- 土地の記憶、消された名前、デジタル記録をめぐる物語が好きな方
OPENING SAMPLE
冒頭試し読み
本書冒頭より(一部抜粋)
その夜、レス川は低い音を立てていた。
雨はまだ降っていなかった。けれど森は、降る前からすでに濡れていた。葉は重く、崖の石灰岩だけが月明かりに白く浮いた。崖の上には城があった。シャトー・ド・ヴァルザン。川を見下ろすために造られたのか、川に見上げられるために残されたのか、誰にも決められない姿で、塔と尖塔と灰色の壁を夜へ差し出している。
ポール・ダンブロンは、懐中電灯を点けなかった。
城の修復調査に出入りする者なら、ここで光を振ることがどれほど危険かを知っている。危険というのは、足を滑らせることだけではない。見つかることだ。
ポールのスマートフォンが震えた。
画面には、短いフランス語の通知が浮かんだ。
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その下に、機械が吐いた日時があった。二十三時十七分。十七という数字が、彼の舌に金属片の味を置いた。彼は笑おうとした。笑えば、恐怖はまだ自分の外側にあると確認できるからだ。けれど喉がひゅっと鳴っただけだった。
「違う」
彼はフランス語で言った。次に、もう一度、今度は誰かが聞いていることを願って、少し大きく言った。
「彼女は、いた」
THEME SONG
主題歌ミュージックビデオ
物語の余韻を、映像と音楽でお楽しみください。
ABOUT THIS BOOK
この作品について
証明されなかった存在を、土地の記憶から読み直す作品。