
内田さんシリーズ
内田さんは、無意識に香る。
ウチダサンハ、ムイシキニカオル。
香水か、事件か、コロッケか。
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SYNOPSIS
あらすじ
舞台は名古屋・花舟町の花舟百貨店。服飾店員・内田すみれの周囲では、香水、衣服、食べ物の匂いが、人の記憶を静かに呼び起こす。
華やかな売り場の裏側に残る小さな違和感を、内田すみれが日々の仕事の中で受け止めていく。
BOOK INFORMATION
作品情報
- 発売状態
- Kindle発売中
- 形式
- Kindle版(電子書籍)
- シリーズ
- 内田さんシリーズシリーズ掲載作品一覧Amazonでシリーズを見る
- ASIN
B0H3H5F6N1
KEY THEMES
主要テーマ
- 01百貨店
- 02働く人々
- 03匂いと記憶
FOR READERS
この作品がおすすめの読者
- 百貨店や服飾売り場を舞台にしたお仕事小説が好きな方
- 香りや衣服から人の記憶をほどく、軽やかな人間ドラマを読みたい方
OPENING SAMPLE
冒頭試し読み
本書冒頭より(一部抜粋)
開店前の花舟百貨店は、まだ音の少ない建物だった。
名古屋・花舟町の朝は地下街から始まる。改札の靴音が増え、コーヒーの匂いが通路に流れる。その上に、花舟百貨店は建っている。
三階奥のORVENTO CIELO名古屋花舟店では、開店前のスタッフがハンガーの向き、鏡の曇り、入口の照明を確認していた。
内田すみれは、開店十分前の店内で、一着の淡いグレーのジャケットにブラシをかけていた。内田は袖口を整えて顔を上げた。入口に、白いブラウスの袖口を握りしめた四十代半ばの女性が立っていた。髪はきれいにまとめているのに、目元には午後の会議の緊張があった。
「すみません、予約していないのですが」
「もちろんでございます。予約のない朝ほど、服は起きておりますので」
女性は一瞬、困ったような顔をして、それから小さく笑った。
「変なことを言うんですね」
「はい。社内でときどき議題に上がります」
内田が真顔で答えると、女性の肩から力が少し抜けた。聞けば、その女性、真壁由里は、老舗和菓子店の新任専務として、その日午後、金融機関との大きな面談に行くのだという。父の代から続く会社を継いだばかりで、店の暖簾は背負えるのに、銀行の会議室に入る服が分からない。
「強そうに見えたいわけではないんです。ただ、頼りなく見えたくない」
「では、強い服ではなく、逃げない服にしましょう」
THEME SONG
主題歌ミュージックビデオ
物語の余韻を、映像と音楽でお楽しみください。
ABOUT THIS BOOK
この作品について
事件だけでなく、売り場で交差する人の生活と感情を見つめる一冊。